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人の話を聴くのが好き。だけど「対面」だと、どうしてこんなに疲れてしまうんだろう

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「人の相談に乗るのは好きだし、役に立ちたい。けれど、会って話を聴いたあとは、泥のように眠ってしまう……」

そんな「共感疲れ」に悩まされていませんか?

前回の記事で、私は心理カウンセラーの資格を取り、「聴くこと」が自分の強みだと気づいたお話をしました。しかし、そんな私にも、どうしても超えられない高い壁がありました。 それは、「対面(あるいはリアルタイムの通話)で、ずっと人の話を聴き続けること」の圧倒的なしんどさです。

相手の悲しみや怒り、不安な感情が、まるで自分のことのように心に流れ込んできてしまう。相手が帰ったあと、一人になった部屋でどっと押し寄せる疲労感に、「私はカウンセラーに向いていないんじゃないか」と落ち込んだこともありました。

でも、ある「心の防衛術」と出会い、そして「テキスト(文章)でのやり取り」という選択肢を選んだことで、私は自分自身をすり減らさずに、安心して人の話を聴けるようになりました。

今回は、繊細な人が誰かの味方であり続けるために必要な「自分を守るための境界線」と、お互いにとって優しい「テキストコミュニケーション」の可能性についてお話しします。

第1章:感情の津波に飲み込まれる、「対面」のしんどさ

人の相談に乗ることは好きだし、力になりたい。そう思っているのに、対面で誰かの話を聴いたあとは、なぜかいつも泥のように眠ってしまうほどの疲労感に襲われていました。

不思議なのは、それが「重くて深刻な相談」の時だけではない、ということです。 なんだったら、相手の気持ちに(意識的に)それほどの負担や重さを感じていない時、つまり「これくらいなら全然大丈夫、力になりたいな!」と前向きに聴いている時でさえ、終わったあとはなぜか激しく消耗している自分がいました。

なぜ、ただ話を聴くだけで、これほどまでに疲れてしまうのだろう? ずっと疑問だったその理由の正体に、あるとき気がつきました。私にとって対面での相談とは、単に相手の話を「察知(インプット)」するだけでは終わらない、二重のハードルがあったからです。

対面での相談は、話を聴くことと同時に、「その場で、即座に回答を返すこと」が求められます。

相手が目の前にいる以上、沈黙を作るわけにはいきません。私の頭の中は、相手の話を聴きながら同時に、「即座に完璧な答えを出し、かつそれを相手が納得できるように論理的に説明しなければならない」という、凄まじいプレッシャーと戦っていたのです。

「ええと」と口篭(くちごも)ってしまう自分を隠しながら、脳のメモリを100%フル回転させて、その場でのベストな言葉を必死に出力(アウトプット)しようとする。

五感で相手の感情をすべて察知するインプットの過酷さに加え、即座に完璧なロジックで返すアウトプットのプレッシャー。この2つが同時に押し寄せてくることこそが、私が対面での傾聴に感じていた「しんどさ」の本当の原因でした。

親身になればなるほど、自分の身が削られていく。「私は、カウンセラーのようにおこがましくも誰かの相談に乗るなんて、向いていないんじゃないか」と、一時期は落ち込むこともありました。

第2章:自分と相手の間に引く、見えない「境界線(バウンダリー)」

そんな、共感疲れとアウトプットのプレッシャーでがんじがらめになっていた私を救ってくれたのが、心理学の勉強の中で出会った「境界線(バウンダリー※)」という考え方でした。

バウンダリーとは、簡単に言えば「自分と他人の間にある、目に見えない心の壁」のことです。

それまでの私は、相手が悩んでいると、まるで自分の目の前で大切な人が溺れているかのようなパニックに陥っていました。「私が今すぐ海に飛び込んで、完璧なロジックという浮き輪を投げて、今すぐこの場で救い出さなきゃ!」と、相手の「悩みを解決する課題」まで自分の背中に背負い込んでいたのです。

しかし、カウンセリングの現場でも使われるこの境界線の引き方を知ってから、視線がガラリと変わりました。

冷たく突き放すという意味ではありません。 「相手の悩みは、あくまで相手の課題。私はその隣に寄り添うことはできるけれど、代わりに溺れてあげることはできないし、その場で魔法のような完璧な答えを出す義務もない」 そうやって、自分と相手の間に、そっと1本の線を引いてあげるイメージです。

まずは、自分が安全な浜辺(安全圏)にしっかりと足をつけて立つこと。自分がグラグラしていては、溺れている人の手を引っ張ることはできません。

「その場で完璧に解決しなくていい。まずは相手が安心して本音を吐き出せるだけで、聴き役としての役割は100点満点なんだ」

そう思えたとき、対面での相談の時に感じていた、あのみぞおちがギュッと痛くなるようなプレッシャーが、すーっと軽くなっていくのを感じました。

※バウンダリー(Boundary):心理学の用語で、自分と他人の間にある「境界線」のこと。自分を守り、人間関係を健全に保つために必要な心の壁。

第3章:お互いの脳のメモリを守る「テキストで聴く」という選択肢

心の境界線を引くことを覚え、対面でのプレッシャーは随分と軽くなりました。 しかし、それでも「即座に言葉を返さなければいけない」という対面特有のスピード感は、情報処理に時間のかかる内向型の私にとって、やはり相性の悪さを感じる部分もありました。

そこで私がたどり着いたのが、Webライターという本業の強みを活かした「テキスト(文章)で話を聴き、テキストで返す」という選択肢です。

テキストでのやり取りには、対面にはない圧倒的な「余白の時間」があります。

相談者さんから送られてきた文章を、自分のペースでじっくりと読む。 相手がどんな気持ちでこの言葉を選んだのか、その背景にある感情を、焦ることなくゆっくりと咀嚼(そしゃく)する。 そして、「即座に完璧なロジック」をひねり出すプレッシャーから解放された頭で、相手の心に一番優しく届く言葉を、時間をかけて選び抜き、文章として紡いでいく。

テキストであれば、「ええと……」と焦って不器用な言葉を取り繕う必要はありません。自分の脳のメモリを「焦り」ではなく「相手への深い共感」にだけ100%使うことができるのです。

そしてこの「テキストの余白」は、実は相談する側にとっても大きなメリットがあります。 目の前に人がいると、気を遣ってうまく話せなかったり、相手の顔色をうかがって本音を飲み込んでしまったりする方も多いはずです。しかしテキストなら、深夜でも早朝でも、自分の感情が溢れた瞬間に、誰の目も気にせずゆっくりと言葉を打ち込むことができます。

テキストで聴くという方法は、HSPである私の心を守るだけでなく、相談者さんの心をも守る、お互いにとって一番優しいコミュニケーションの形だったのです。

まとめ:すり減らない工夫をすることが、長く寄り添うコツ

誰かの力になりたいと思ったとき、私たちはつい「自分の身を削ってでも尽くさなければ」と思いがちです。特に、共感力の高い繊細な人ほど、相手の痛みを丸ごと背負い込んでしまい、結果的に自分が倒れてしまうことが少なくありません。

でも、本当の意味で長く誰かの味方であり続けるためには、まず「自分自身がすり減らない安全な場所」を確保することが何よりも大切です。

「対面で聴くのはしんどいから、テキストで聴く」 一見すると逃げのように感じるかもしれませんが、自分が一番心地よく、無理なく力を発揮できる方法を選ぶことこそが、結果的に相手を一番深く受け止めることに繋がります。

自分の心に境界線を引き、テキストという穏やかな海で相手の言葉を待つ。 それが、不器用な私が見つけた、自分も相手も傷つけないための「心の防衛術」です。

そして実は、この「テキストから感情を読み取り、最適な言葉で返す」という傾聴のスキルは、単なるお悩み相談にとどまらず、本業であるWebライターの仕事(クライアントワーク)においても、私の最大の武器になっていきました。

次の最終回では、この「テキストでの傾聴力」が、実際のライター業務の中でどう活かされているのかについて、お話ししてみたいと思います。


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リィア

フリーランサー・ウェブライター・メンタル心理カウンセラー

普段はウェブライターをしています。お仕事のご依頼・ご相談もお気軽に。 心理カウンセラー資格取得に伴い、相談募集も始めました。 フリーランス・ウェブライター メンタル士心理カウンセラー・アンガーカウンセラー 漢検2級・図書館司書・HSS型HSP気質 プライベートは2次元大好きの活字中毒

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