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目次
あらすじ:ロードス世界における「王の資質」とは?
カシュー王からアラニア王にならないかと提案を受けたパーン。一旦保留のような形で断り、改めて王とは何なのか、自分にその資質があるのかを確かめるべく、いまだ内乱が終わらないロードス各国を巡る旅を続けます。
短編連作で描かれるロードスの今:『王たちの聖戦』の構造
今まで1~2巻で1つの大きな話が語られてきましたが、本作は章単位で個々の話になっている、短編集のような形。
パーンの視点でみると大きな流れになってはいるんですが、それぞれの国としてみると、独立した話集になっているのが面白いです。
ロードス六ヵ国・情勢分析:英雄たちの治める国の光と影
ヴァリス:聖職者エトの苦悩と「理想の王」への期待
ファリス神の国であり騎士王ファーンの国でありの印象が強いヴァリス。
パーン回りではお父さん関係で触れたり、姫救出任務など 1巻での接触が中心。
なので、あんまり国そのものがどうかというと印象薄いかもしれません。
エトの即位後も、それこそ宗教色がより強くなったというか。
アラニア:千年王国の停滞と、影で蠢く支配者たち
ロードスで最古の歴史がある千年王国アラニア。
パーン関係では、ザクソン独立運動やディードの故郷である「帰らずの森」がある程度で、王様回りは直接には関わってこない感じ。
本作でも、ザクソン関連を除けばはっきりパーンが関与するわけではなく、首脳部はフレイム経由で進んでくイメージ。
それでいてどこか無視できない黒幕感があるのはさすがなのか。
パーンが直接かかわってないのに王位継承はドロドロだし、ザクソンに関しても将来的にセシルが爵位を得て収まったかと思えば、とある事件により遠い将来また独立してるし。
(遠い将来=パーンが亡くなった以降で発生してるらしいのが、またアラニアお前そういうとこですよ感がすごい)
モス:独立心旺盛な騎士たちの国とドラゴンの絆
知識の範囲でとなると、戦記よりも「伝説」に意識が行ってしまうのがモス。
・所属する各国は王国を名乗っていて、集合体であるモスは公国を名乗っている。
・本来の用途と逆なのは、各国が独立意識旺盛だから。
これ、おもしろいなと思ってます。
いつまでも集合体の一部に甘んじているつもりはなく、自分たちこそがモス地方全体をまとめる国になってやるという気概マシマシの集団。
それゆえに、内乱ばっかりという現状。
アラニアが裏でドロドロしてるイメージに対して、こっちはオープンドロドロ(?)という対比なのも面白いですね。
あと個人的には、ハイランドのどらごんいっぱいが大好きです。
竜王マイセンの話とかは……やっぱり「伝説」になってしまうな。
カノン:占領からの復興、そして自由騎士の国
ロードスにおけるヒロイン国、カノン。
マーモに接してるという都合もあり、まず戦争になったらヤバイのがカノン。
本作では、マーモにやり返して復興というスタートを切るわけですが……。
ただパーンの自由騎士イメージを考えると、フレイム並みに知名度がありそうなのもカノンかなと。
フレイム:最も「成功」した砂漠の王国、王の野心の行方は
本作のドロドロとは関係ないけど、せっかくなので全部書いておきます。ということでフレイムです。
パーンとカシュー陛下の縁もあり、
2巻のこともあり、
次のスパークの出身ということもあり、
で、たぶん1番舞台イメージは強い。
基本的には味方国代表で、内部問題も2巻でほぼ片付いた状態なので、1番成功しているのもたぶんフレイム。
……からの「誓約の宝冠」は、ここでは水野先生うまいことやったなあとしか。
マーモ:悪の帝国の内実に潜む、個人の情熱と野望
敵代表というか、国単位でみた場合に悪の帝国そのまんまなのがマーモで。
ただ全員が全員悪というとそうでもなく。
バグナードさんの復讐心はともかく、ベルド皇帝の意図とかは「伝説」でちょっと触れるので、知ってからこっちに戻ってくるとびっくりしますね。
と、いうか。
世界征服型のベルド帝の動機は悪ではなく、個人復讐型のバグナードさんたちは別に世界はどーでもいいという、経緯とやり方?結果?の方向性というかなんというかがごちゃついてるのが、ある種魅力なのかも。
王道主人公エト vs 自由を愛するパーン:二人の「英雄」の決断
しばらくぶりだった、パーンの幼馴染・エト。
ファーン王の娘と結婚したことで、次のヴァリス王になるという、結構な出世。
……お姫様と結ばれて王になったもと勇者って、あれ、エトが王道主人公でしたか?
ただ、エトの職種は神官なので、騎士だった前ファーン王と比べると、臣民の反応はイマイチらしく……というのがヴァリス編のテーマというか課題というか。
ヴァリスですらパーン派多数
ヴァリスに限らず、割と結構な国で、次代の王に関する悩みになっているのも本作の特徴ですが。
アラニアなど王のいないとこに、パーン入らない?となるのもまた見どころで。
なんならヴァリスは既にエトがいるにもかかわらず、「聖騎士の息子で自身も戦士でファーンからも信頼されてたパーンのほうがいいんじゃね?」という風潮もある始末。
評判だけなら、それこそ主人公の面目躍如なんですけど、本作に限っては(パーンがヴァリス王に立つとしても)立ちはだかる壁が親友とあっては、パーンも嬉しくはない。
……ちょっとドロドロ入ってますね。
あくまでも神職を貫くエト
パーンやほかの候補に王位を譲るでもなく、しかし自身が騎士職に転向することもなく。
エトはあくまでも神官として、神の威光でもって国を治めることを選びます。
将来的には、その時の騎士団長だったかな?に譲位して、名実ともに神職一本でいくエト。
ただ、宗教国家としてはある種正しい方向というか、軌道修正になったのかなとも。
ファーン王が異質ってより、魔人戦争、六英雄の功績があまりにもデカすぎたせいで、ちょっと道をずれたのが「戦記」のヴァリスと言えなくもなく。
仮にパーンがヴァリス王になったとしても、ファーン王ほどのことができたかというと……。
と考えると、反転ほどではないにせよ、はっきり騎士系統の王とは別のやり方を選んだってのは、英断だったようにも思えます。
カシューの意図は盟友か傀儡か
エトがちょっと警戒してましたが。
そもそもの発端、カシュー陛下がアラニア王にパーンを推すのは、自分にとって都合のいい人物を当てがおうという意図があるんじゃないかと。
そんで、アラニアをフレイムが掌握するんじゃないかと。
実際にそんなことにはなりませんでしたし、カシュー陛下本人もシンプルに味方が欲しいニュアンスでしたが、パーンがアラニア王になっていたら、どうなっていたんでしょうか。
「ロードスの騎士」の立場以降はともかく、現段階ではカシュー陛下の方が政治力はもちろん武力も上で。
もちろん、エトを始めパーン側の味方も少なくはないですが、「気づいたらフレイムに有利な話」って展開はありえそうですよね。
アラニアを継いだロペス王も、擁護してもらったからこそカシュー陛下に要注意みたいな感じでしたし(そこは、アラニア特有の疑心暗鬼とか、上から目線もあるかもですが)。
なんなら自分の子孫にすらそう思われてるしで、これで本当に善意しかなかったら、カシュー陛下も割と不憫だなあと。
ディードリットの不安と杞憂:種族の壁と「王妃」の座
パーンが王位を断った理由について。
ヴァリスはともかく、現王がいなくてドロドロ真っ最中のカノンとかアラニアならいいんじゃないの?というのがまあ普通の考え方なわけで。
「それでもパーンが断るのは、もしかして自分のせい?」
と考えてしまったディード。
パーンに尋ねてみると、あくまでも自分の性に合わないって答えで。
「確かに君を王妃にするわけにはいかないだろうね」
と苦笑交じり。
ここでも種族の壁が……と思いきや、シーリス相手の時同様、気にしているのはやっぱりディードの方で。
パーンはそこまで頭が回らなかった模様。
まあ、「王とは何か?」で頭がいっぱいな中、ハイエルフを正妃にする問題までいたるわけもないんですけど。
パーンらしいといえばそうなんですけど。
ディードも怒ったとかではないんですけど。
乙女心がぁ!とは、突っ込みを入れておきます(笑)
シーリスの再生:オルソンとの別れを乗り越えた新たな出会い
さっきちょっと出たシーリスですが、オルソンロス()で傷心中の中、レッドとの出会いが。
レッドの正体が明かされて求婚を受け入れつつも、自分はカノン貴族の娘で血統的には格上なので
「モスの田舎貴族にはもったいない」
と言い返してやるあたりはさすがです。
レッドが……レドリック自身が奔放な性格で、シーリスの無茶というか単独行動とかも容認してくれる性格(類友夫婦かな)らしいのが幸いしたのかな。
オルソンに比べると強気ですけど、尻に敷かれるっていうか、敷かれることをよしとできる人なのは似ているかも。
後にシーリス自身も竜を駆る王妃になるとは、3巻時点では誰も思わないよなあと思うと、まさに意外な展開で。
カノン自由軍の誕生とアシュラムの復活
カノンはマーモに占拠されていて。
リーダーでこそなかったものの、こちらも傷心というか、前作で真っ白に燃え尽きてしまった元将軍の姿が。
彼に熱意を取り戻させたのは、そういえばパーンということになるんでしょうか(強敵大好きアシュラムさん、ザップの方に滾ったんじゃないよね)。
そういう意味では、パーンは戦士として確かに成長していて、アシュラムが奮起するぐらいには対等になってきたということなのかなとも。
アシュラムのヒロイン、ピロテースの登場
またアシュラムに関しては、ピロテースが初登場するのも見どころで。
こちらはライバルってわけではないですけど、ハイエルフのディードと対になるかのようなダークエルフ。
(ロードスでは、ダークエルフも普通のエルフってよりはハイエルフの闇版に近いようです)
外見も白金系のディードに対して銀髪系、肌は褐色でディードとは対称的なボイn……黙りますね。
自由騎士パーンの誕生
各国の中で、カノンはこれからが本番という「俺たちの戦いはここからだエンド」になるわけですが、パーンとディードもしばらくは協力することに。
というところで、カノン自由軍の騎士隊長パーンこと、「自由騎士パーン」が誕生と相成りました。
やー1巻同様、アニメイメージから入ったのでパーンといえば自由騎士。ここへきてようやくなので感慨深いです。
まとめ:そして物語は「新ロードス島戦記」に繫がる世代へ
振り返ってみてみると、一応はどこも問題解決したんじゃないの?と思わせる本作。
すでにスパークの話はある程度決めていたんでしょうか?(ゆえに前世代のいろいろを片付けるのが本作?)
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前巻の感想はこちら
6巻・7巻の感想はこちら(書いたら繋げます。しばしお待ちを)




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